メタバース開発者になりたい、メタバースプロジェクトに参加したいと考える人はいるのではないでしょうか。しかしメタバースに関して未経験な状態から、メタバース開発者を目指すには、どのようにしたらよいか悩む人もいるでしょう。 本記事では、メタバースの開発に携わるために必要な知識やそれらを学べる書籍やスクール、メタバース開発を行っている会社をご紹介します。
この記事でわかること
メタバース開発に関連する職種
▼メタバースの基礎知識については、こちらの記事で解説しています。あわせてご覧ください。
3DCGデザイナー
3DCGデザイナーは、仮想空間に登場するキャラクターや、メタバース内の様々な環境をデザインするのが仕事です。また、メタバース内で使われる3Dアセット、モデリングやテクスチャなどもデザインします。
1つの3D作品をつくるのに複数の工程があります。3DCGデザイナーの中でもモデリングを担当するモデラ―、リギングを担当するリガ―など、複数の役割が存在します。
ゲーム開発エンジニア
メタバースプラットフォームとゲーム開発はほとんど同じといえます。ゲームで有名な「フォートナイト」や「マインクラフト」は代表的なメタバースの1つです。キャラクターを動かして目的を達成するほか、交流したり遊んだりできます。
そのため、ゲーム開発エンジニアもメタバース開発に関連する職種です。PCやPlayStationなどのコンシューマゲーム機で動くソフトを開発する以外にも、タブレットやスマートフォンで動くアプリを開発するエンジニアも含まれます。
インフラエンジニア
メタバースプラットフォームを支えるサーバーやネットワークなどのITインフラを構築・運用するエンジニアのことです。多くの人が同時に接続して利用するメタバースでは、十分な負荷に耐えられるだけのサーバーやネットワークが必要です。
自社内にサーバーやネットワークを構築している場合もあれば、クラウドサービス(IaaS)を利用する場合もあります。そのため、クラウド含め幅広いスキルが求められます。
メタバース開発に必要な技術
VR/AR
VRは「仮想現実」の意味で、現実に近い実体験を得ることができます。例えばVRゴーグルをつけて目の前に3Dの映像を映し出すことで、あたかもその世界にいるような感覚が得られます。ARは「拡張現実」の意味で、ARゴーグルやスマホなどを通してみることでデジタル情報を表示させるものです。
メタバースもインターネットを通じたオンラインのVRともいえ、仮想世界の中で現実に近い体験やコミュニケーションが行えます。
ブロックチェーン
現実世界では通貨やカードなどで決済ができますが、メタバースで用いられる仮想通貨を実現する技術が「ブロックチェーン」です。ブロックチェーンは改ざんされにくいデータ構造で情報を管理し、正当性・透明性が担保されます。メタバースではこの仕組みを利用し、キャラクターやアイテムの売買といった取引が行えます。
AI
メタバースでは、ユーザーが操作しないキャラクターが多く登場します。例えばメタバースの中で登場する案内人や動物などはAI(人工知能)によって動いています。現実世界を再現する中でAIは重要な技術です。
3DCG
メタバースでは建物やアバター、自然を3DCGで表現し、現実世界に近い空間を生み出しています。3DCG技術はメタバースだけでなく、ゲームやアニメ、映画など幅広く利用されており、注目度の高いスキルといえます。
メタバース開発言語
Unity/C#
「Unity」は3Dゲーム開発で使われているゲームエンジンの一つです。豊富なアセットが利用でき、効率的に2D/3Dゲームの開発ができることからメタバース開発でも利用されています。また、細かい微調整を行う場合はプログラミング言語C#が利用できます。
C#はマイクロソフト社が開発したプログラミング言語で、主にWindows向けのWebアプリケーションやアプリ開発に使用されています。今ではMacOSやスマホアプリにも対応しています。
Unreal Engine/C++
「Unreal Engine」はUnityに次いで利用されるリアルタイム3D制作ツールです。3Dゲーム開発だけでなく映画やライブイベント、シミュレーションなどにも利用される汎用性の高さが特徴です。
Unreal Engineは、プログラミング言語C++をもとに開発されており、C++でプログラミングも可能です。C++は汎用性が高く、またパフォーマンスに優れたプログラミング言語で、ゲーム開発以外にもシステム開発など多くの用途で利用されます。
JavaScript
JavaScriptは、ブラウザ上で動きを加えることができるプログラミング言語です。ブラウザ上の画像にアニメーションをつけたり、フォームやボタンといった機能を加えることが可能です。最近ではブラウザ側だけでなくサーバー側で動かすこともできます。
▼メタバース開発で使用するプログラミング言語については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
メタバース開発で役立つUnityを学べるサイト
ドットインストール
「ドットインストール」は、3分以内の動画授業でプログラミングを学べるサイトです。レッスン内容は非常に豊富で、UnityおよびC#、JavaScript等のプログラミング言語、Web制作などの基本的な内容が学べます。費用は月々1,080円ですが、一部のレッスンは無料で視聴できます。
▼公式サイト
Progate
「Progate」は、プログラミングの基本が学べるオンラインのプログラミングサービスです。スライド形式の教材を使い、自分のペースで学習および復習が可能です。コースはJavaScriptやRubyをはじめとしたWeb開発関連のプログラミング言語が学べます。
料金は月額1,078円(税込)で、初歩的な一部のレッスンは無料で利用可能。スマホ用アプリもあるので、スキマ時間などにも気軽に学べます。
▼公式サイト
Udemy
「Udemy」(ユーデミー)は、ビジネスやデザイン、ITなど100,000以上の動画コンテンツでさまざまな講座を受けられるオンライン学習サイトです。料金は、講座の買い切り形式であり、セールによっては最大90%OFFのものもあります。
UnityやUnreal Engineによるゲーム開発プログラミングのほか、Blenderによる3DCGデザイン、ブロックチェーンの基礎知識など、技術的なものから知識まで幅広く学習できます。
▼公式サイト
プログラミングスクールを選ぶポイント
カリキュラム内容
カリキュラムの内容を必ずチェックしましょう。例えば「Unityを学びたい」という1つのことに特化するのではなく「メタバース開発者として働けるようになりたい」とし、開発者としてUnityやC#以外にもGitやAWSなど、開発を行うための必要な環境やツール類まで学べるカリキュラムがおすすめです。
メンターのマンツーマン指導
マンツーマン指導であれば、周りの人に気兼ねすることなく質問や相談ができる点で大きなメリットです。特にオンライン学習では、他に相談できる相手が近くにいないため、気軽に相談できる環境のほうがよいでしょう。チャットなどですぐに相談でき、回答も早いと学習も続けやすくなります。
転職サポート
最終的にメタバース開発者になることが目的ですので、転職サポートも受けられるプログラミングスクールだと便利です。
転職サポートでは、学習で身についた内容に沿った企業の紹介やスカウト、履歴書や職務経歴書などの資料の添削、企業ごとの面接対策などが受けられます。転職経験がなく不安な人は、転職サポートの内容も確認しておくとよいでしょう。
メタバース開発に役立つスキルが学べるスクール
テックアカデミー
「テックアカデミー」は、オンラインに特化したプログラミングスクールです。実務経験3年以上の現役エンジニアである講師陣からマンツーマンのサポートを受けながら、プログラミングを学ぶことができます。他にも、転職支援が受けられるのがポイントです。
メタバース開発者を目指すなら、シェアの高い「Unity」コースがおすすめです。2D/3Dのオリジナルゲームアプリを開発し、ゲーム開発に必要なスキルが学べます。
▼テックアカデミー Unityコース
SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)は自分が学びたい内容を自由に選択できる完全オーダーメイドカリキュラムが特徴のプログラミングスクールです。メタバースで使われるUnityやC#以外にも、AWSやDocker、Gitなど、開発に必要なスキルも一緒に学べます。
学習ペースも自分の時間に合わせて柔軟に決められるほか、現役エンジニアによるマンツーマンレッスン(週1回)に加え、いつでもチャットで相談ができます。自分の中で明確に目標が決まっている方におすすめです。
▼SAMURAI ENGINEER 教養コース
テックスタジアム
「テックスタジアム」はゲーム制作に特化したオンラインスクールです。UnityやUnreal Engineのほか、VRや3DCG、AIなどメタバース開発に必要な技術が学習できます。
「超入門コース」があるのでプログラミング経験がない初心者でも安心で、全コース9万円以下という低価格も嬉しいポイントです。さらには、ゲーム業界などへの就職サポートが受けられます。
▼テックスタジアム
メタバース開発会社を選ぶときのポイント
どのような開発をおこなっているか
メタバース開発者を目指すなら、自分自身で何かを作りたいという目的をイメージし、その開発を手掛けている会社を選ぶのが重要です。例えば、仮想空間内を自由に動き回るアバターを作りたいと思っても、VR/ARによるモデリングをメインに開発する会社に入っては、目的とずれてしまう可能性があります。
開発実績から目的に近い開発を行っている会社を確認すれば、自分が望んだ開発が行える可能性が高まるとともに、技術・経験も得られます。
どの専門分野に強いか
メタバース開発の会社といっても、特定の専門分野に特化している場合もあります。例えば3DCGに強い会社、スマホアプリ開発に強い会社、VR/ARに特化した会社などがあります。どの分野に強いのか、またその分野に関する資格保有者がいるかどうかも確認しておきましょう。
実際に働く現場の雰囲気を確認
開発会社のホームページでは、実際に働いている人のコメントを確認できるサイトもあります。メタバース開発を実際に行っている人のコメントを見て、自分が思い描いている現場と合致するか確認しましょう。また、もし面接でその企業に行くことがあれば、スタッフの人に直接聞いてみるのも有効です。
長期的な開発プロジェクトで少しずつ開発を進める会社もあれば、クライアントからの依頼を受け短い期間で案件を回す会社など、働く環境が大きく異なります。自分の希望にあった会社を選択しましょう。
メタバース関連のコンテンツを開発する会社を紹介
株式会社Grune
株式会社Gruneは、DX戦略立案から開発までワンストップで対応するシステム会社です。日本とインドネシアに開発拠点を持ち、メタバース・XRの個別/月額定額開発サービスを提供しています。
住宅メーカー向けのVRモデルハウスの制作や、ARアプリの企画・開発、など5年間で300案件以上の開発実績があります。
▼公式サイト
クラスター株式会社
クラスター株式会社は、メタバースプラットフォーム「cluster」の開発・運営を手掛ける会社です。clusterはスマホやPC、VR機器といったマルチプラットフォームに対応しており、バーチャルSNSとして展開しています。
「cluster」で開催されたイベント総動員数は、2022年には述べ1,000万人を超えており、急成長を続けています。このメタバースプラットフォームを支えるデザイナーや開発者、スマホアプリ開発エンジニアを募集しています。
▼公式サイト
カバー株式会社
カバー株式会社は、VTuber配信アプリ、キャラクターモデル制作などを中心としたバーチャルプラットフォームの自社開発、VTuber事務所の運営を手掛ける会社です。VTuber事務所「ホロライブプロダクション」のYoutubeチャンネルは登録者数が2022年7月時点で170万人以上と急成長を続けています。
異世界を舞台にしたメタバース「ホロアース」コンテンツの開発を進めており、この開発を行う3DCGやオンラインゲーム制作を行うエンジニアを募集しています。
▼公式サイト
スキルを身につけ、メタバース開発者を目指そう
本記事では、メタバース開発者に関連する職種や技術の学び方、開発会社について解説しました。
メタバース開発に携わるには、3DCGデザインやスマホアプリ開発、VR/ARなど多くの技術が必要です。独学やプログラミングスクールで技術を習得し、メタバース開発会社に就職する以外にも、ゲーム開発会社などで技術を得た後に転職するのも1つの方法です。
2021年~2022年を経て、メタバース元年という時代の評価も定着し始めています。今後も、メタバース開発者が必要とされるケースが増えていくことでしょう。
本記事でご紹介した内容を参考にスキルを身につけ、メタバース開発者を目指してください。
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