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今さら聞けないメタバースとNFT | 人気のメタバースや購入手順も解説

終了目安時間:10分

2022.10.10

多くの企業がメタバースとNFTに進出しており、私たちの生活にも身近な存在になっています。しかし、メタバースとNFTの関係や注目されている背景などをご存知でしょうか。本記事では、メタバースとNFTの関係や注目されている背景、おすすめのメタバースなどを紹介します。

NFTとメタバースを組み合わせると経済圏が生まれる

NFTと書かれたイラスト

メタバースとNFTは、関連してセットで語られる機会が多いですが、それぞれ別の概念を示します。そもそもNFTとは、ブロックチェーン技術を活用して、デジタルデータの所有権を証明する技術です。容易に複製できるデジタルデータに所有権を与えることで、デジタルデータは従来付与が難しかった「資産価値」を持つようになります。

メタバースとNFTは、関連してセットで語られる機会が多いですが、それぞれ別の概念を示します。そもそもNFTとは、ブロックチェーン技術を活用して、デジタルデータの所有権を証明する技術です。容易に複製できるデジタルデータに所有権を与えることで、デジタルデータは従来付与が難しかった「資産価値」を持つようになります。

メタバースとNFTを組み合わせれば、メタバースにおけるあらゆるデジタルアイテムに、唯一無二の資産価値を加えられます。つまり、ユーザーはメタバース上でNFTの売買ができるようになり、メタバース経済圏が創出されるのです。

例えば、人気のメタバースゲーム「あつまれどうぶつの森」にNFTを組み合わせたとしましょう。この場合、「あつまれどうぶつの森」内のアイテムがNFT化され、価値を持つようになります。ユーザーは仮想通貨を用いて、アイテムの売買ができるようになるのです。

「あつまれどうぶつの森」や「フォートナイト」などのように、NFTがなくともメタバースは成立します。しかし、メタバース上で経済圏を創出するためには、デジタルデータの所有権を証明するNFT、およびNFTの売買に用いられる仮想通貨は欠かせません。

メタバース上のNFTが注目を集める背景

バーチャル世界を見る女性

個人はもちろん、すでに世界的に有名な企業までもがメタバース上でNFTアイテムを購入しています。投資家や企業がメタバースでNFTを購入する理由は投資です。

個人投資家には、メタバースが発展段階にある今のうちからNFTを購入し、価格が高騰したところで売却する狙いがあります。

企業の場合、メタバース上で新規顧客の創出および既存顧客への新たな価値提供を目的にNFTを購入しているケースが多いです。PwCコンサルティングが日本企業1,000社超を対象として実施したメタバース事業者調査結果(※1)によると、下記のことが判明しています。

・87%の企業がメタバースはチャンスであると捉えている

・チャンスと考える理由のトップが「新規ビジネスの創出(47.4%)」

この調査結果からも分かるように、企業はメタバース上でビジネス展開する機会を伺っています。だからこそ、今のうちからメタバース上でNFTの土地やアイテムを購入したり、NFTの商標を提出したりと、着々と準備を進めているのです。

※1 出典:【PwCコンサルティング】メタバースは「ゲーム・エンタテイメントのための仮想空間」からビジネス活用のフェーズへ

https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/metaverse-business-survey.html

メタバースとNFTを活用したサービス・企業事例

メタバースという文字のある近未来感のある画像

ここからは、メタバース上でNFTを活用したサービスや企業事例を解説します。

バーチャル不動産の売買ができる『The Sandbox(ザ・サンドボックス)』

「The Sandbox」は、4,000万ダウンロードを突破しており、月間アクティブユーザー数は最大で100万人を超えている人気のメタバース系NFTゲームです。ユーザーはゲームを楽しめるほか、NFTアイテムやサービスなどの作成と売買を自由にできます。

The Sandboxで大きな注目を集めているのが、仮想土地「LAND」です。NFTマーケットプレイス「OpenSea」では、LANDなどのNFTアイテムの累計取引額が2022年3月末時点で15.7万イーサ(約630億円)に達しています。

世界最大のメガバンク「HSBC」は、LANDの購入を目的にThe Sandboxと提携したと報道されています。例えば、HSBCがLANDを購入すれば、LANDで金融商品に関するサービスの展開ができる可能性が生まれるのです。

メタバースといえども、土地には限りがあります。現実世界と同様に、ほかのユーザーの土地で自由にビジネス展開できません。The Sandboxで自社ビジネスの展開やLANDの貸出などを行うためには、LANDの所有が必須です。

アバター向けのデジタル洋服を販売する『Gucci(グッチ)』

高級ファッションブランドのGucciは、NFTブランドショップ「10KFT」とパートナーシップを締結しました。「10KFT」は、メタバース上でアバター向けのNFT洋服やアクセサリーを販売するブランドです。

10KFTとのコラボレーションにより、Gucciもまたメタバースで使えるデジタル洋服の販売を行っています。また、ファンとの交流を目的に、オンラインアトリエ「Gucci Vault」を開設しています。

Gucciは積極的にNFTを展開しており、これまでにNFT作品の出品や人気のNFTプロジェクトとのコラボレーションも果たしています。

また、2022年3月にはメタバースDecentraland上で、史上初の仮想ファッションショーが開催されました。ファッションショーには、TOMMY HILFIGER(トミー・ヒルフィガー)やDOLCE & GABANNA(ドルチェ&ガッバーナ)など計50の有名ブランドが参加しています。

数ある業界の中でも、特にファッション業界はメタバースに力を注いでいます。

メタバースでNFT商品の販売に備える『ウォルマート』

2021年12月、米特許商標庁への商標登録出願により、世界最大の小売店ウォルマートは独自仮想通貨とNFTアイテムの発行準備をしていると明らかになりました。ウォルマートは家電や装飾品、日用品などのNFTの製造販売に備えています。

詳細な計画については明かされていませんが、例えばメタバース上に仮想店舗を設立し、ユーザーにNFTアイテムの販売をする可能性などが考えられます。

【2022年最新版】NFT・ブロックチェーン対応のおすすめメタバース5選

近未来的な画像

NFTに対応しているメタバースはいくつかあります。ここからは、初心者におすすめのメタバース5選をご紹介します。どのメタバースもプレイ自体は無料なので、気になるものがあれば積極的に利用してみてください。

The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandboxは世界的に注目を集めるメタバースのゲームです。ユーザーは仮想空間LAND上で、オリジナルゲームやキャラクター、アイテムなどの作成ができます。3DGCのボクセル系アートゲームということもあり、世界観は「Minecraft(マインクラフト)」と似ています。

The Sandboxの特徴は、仮想土地LANDを現実世界の不動産と同じように扱えることです。LANDを所有するユーザーは、LANDにNFTの家やアイテム、ゲームなどを自由に設置できます。

暗号通貨取引所のCoincheck(コインチェック)は、The Sandbox上で「OASIS TOKYO」という仮想都市の構築をしています。Oasis TOKYOには、商店街や美術館などの施設が建設され、ユーザーや企業が交流できる場となっています。

シリーズ最新作が“世界で最も期待されているブロックチェーンゲームトップ50”の13位に選出されるなど、将来性の高いメタバースゲームです。

Otherside(アザーサイド)

Othersideは、人気のNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」を手掛けているNFTスタジオ、Yuga Labsが提供するメタバース空間です。Othersideは20万区画の土地で構成され、ユーザーは土地の購入や所有、売買ができます。運営にはThe Sandboxを傘下に持つ、「Animoca Brands(アニモカ ブランド)」が携わっています。

2022年4月30日の正式ローンチと同時に、NFT土地「Otherdeed」をダッチオークション方式で販売開始しました。販売から24時間後には、約3億2,000万ドル(約415億7,000万円)相当の暗号資産を調達しています。

メタバース空間の中では、比較的最近ローンチされたサービスながらも、注目度は非常に高いです。

Decentraland(ディセントラランド)

Decentralandは、カリフォルニアに拠点を置く非営利団体「Decentraland Foundation」が開発をするメタバースゲプラットフォームです。ユーザーは、仮想土地の購入やNFTアイテムを作成するほか、メタバース内で展開されるゲームも楽しめます。

メタバースプロジェクトの多くが構想段階の中、DecentralandはBETA版のメタバースを提供しています。専用エディターやゲーム開発キットが用意されているため、ゲーム開発経験のない方でも、簡単にNFTアイテムやゲームの作成が可能です。

コカ・コーラはDecentraland上で着用可能なNFTジャケットの販売、JPモルガンは公式仮想ラウンジ「Onyx Lounge(オニキス・ラウンジ)」を立ち上げるなど世界的企業が注目しているメタバースです。

EnjinCraft(エンジンクラフト)

EnjinCraftとは、Minecraftのサーバーとブロックチェーン連携するプラグインです。EnjinCraftをダウンロードすれば、Minecraftの世界にブロックチェーンを取り入れられます。つまり、Minecraftの土地やアイテムをNFT化できるため、ユーザーは暗号通貨を通して売買できるようになります。

メタバースの世界を体験したい入門者におすすめです。

Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)

Axie Infinityは、「Play to Earn(ゲームをして稼ぐ)」の代表的なメタバースゲームです。Axie(アクシー)と呼ばれるモンスターを戦わせるカードゲームとなっています。対戦成績が良ければ、暗号通貨と交換できる独自通貨が付与されるのです。物価が安く賃金も低い東南アジアを中心に広まり、Axie Infinityをプレイして生計を立てる人もいます。

メタバースでNFTを購入する手順

黒の背景にNFTの文字が写るイラスト

メタバースにおけるNFTの売買は、仮想通貨を介して行われます。そのため、NFTを購入するためには、下記3つが必要です。

・仮想通貨取引所の口座

・仮想通貨

・ウォレット

ここからは、メタバースでNFTを購入する手順を解説します。

STEP1:仮想通貨取引所で口座開設

まずは仮想通貨取引所で口座開設をします。取引所で口座を開設することで、仮想通貨の売買が行えるようになります。

初めて仮想通貨を購入する場合は、安全性の高い大手の国内取引所を利用するのがおすすめです。

STEP2:所定の仮想通貨を購入

NFTの多くは、イーサリアムというブロックチェーン上で流通しているため、イーサリアム規格の仮想通貨での売買に対応しています。有名なビットコインでは、NFTの売買ができない可能性が高いです。

利用したいメタバースや購入したいNFTが決まっている場合は、取引に対応している通貨を確認してから、所定の仮想通貨を暗号資産取引所で購入しましょう。

STEP3:ウォレットを作成

ウォレットとは、仮想通貨とNFTに関するデータを保管する財布です。ウォレットを所有していなければ、NFTの売買はできません。NFTの売買が目的なら、使いやすく、多くのNFTマーケットプレイスと簡単接続できる「MetaMask(メタマスク)」がおすすめです。

STEP4:ウォレットに仮想通貨を送金

暗号資産取引所より、購入した仮想通貨をウォレットに送金します。送金が完了したら、メタバースでNFTを購入する準備ができました。

STEP5:NFTを購入

NFTアイテムは、NFTマーケットプレイスで取引されます。OpenSeaやCoincheck NFT(β版)などで、NFTアイテムを探してみましょう。

おすすめの仮想通貨3選

NFTとイーサリアムのイラスト

最後に、メタバースでNFTを購入する際におすすめの仮想通貨を解説します。

イーサリアム(ETH)

イーサリアムは、ビットコインに次いで時価総額ランキングの高い仮想通貨です。NFTの売買の大多数はイーサリアムを通して行われます。メタバースでNFTを購入する予定がある場合は、イーサリアムの購入がおすすめです。

マナ(MANA)

マナはDecentraland内で使用される仮想通貨です。マナを所有すれば、Decentraland内においてNFTの購入ができます。また、DecentralandはAxieInfinityやEtheremonなどのNFTゲームと連携しています。つまり、Decentralandで取得したNFTアイテムは、連携しているゲームでも利用可能です。

サンド(SAND)

サンドはThe Sandboxの独自仮想通貨です。サンドを所有すれば、The Sandbox上でNFTの購入ができます。また、サンドは将来性が高いのも特徴です。多くの会社がThe Sandboxに進出しており、それに伴いサンドの価値も高騰しています。The Sandboxを楽しむ方はもちろん、投資目的で仮想通貨を保有したい方にもサンドはおすすめです。

メタバースとNFTの組み合わせの可能性は無限大

メタバースとNFTを組み合わせれば、メタバース上に経済圏が登場し、ユーザーは仮想通貨を通してNFTの売買ができます。また、すでに多くの企業がメタバースに進出し、新しいビジネスを展開しています。今後、メタバース上で新たなビジネスが生まれる可能性も十分にあるため、その動向からは目が離せません。

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