メタバースに挑戦してみたいけれど、始め方や活用方法が分からず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。この記事では、メタバースの概要やメタバースでできること、メタバースの始め方などメタバースに関する基礎知識をまとめて解説しています。
この記事でわかること
メタバースとは
メタバース(Metaverse)とは、一言でいうと3次元の仮想空間のことです。
メタバースは高次元という意味を持つ「Meta と、世界という意味を持つ「Universe 」を組み合わせた言葉です。1992年に発表 されたニール・スティーブンソン氏のSF小説「スノウ・クラッシュ」 で初めて使われました。
インターネット上に構築された三次元の世界であるメタバース には、自分の分身となるアバターを使い入ります。メタバース上ではアバターを通じて、他のアバターとの交流やイベントへの参加、アルバイトなどさまざまな体験ができます。
メタバースは、主に下記の4つの要件をベースに成立しています。
大規模同時接続性 | 一つの空間に同時に大人数を集められる |
経済性 | ユーザー同士で経済活動ができる |
アクセス性 | 専門的な機器が使用できない環境であっても、スマートフォンなどの端末から手軽にアクセスできる |
没入性 | 現実世界と変わらないような充足感が得られる |
▼メタバースの定義については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▼メタバースについて理解を深めたい場合は、メタバースに関する映画がおすすめです。以下の記事で詳しく解説しています。
メタバースの種類
メタバースの主な活用方法には、これから紹介する6種類があります。
バーチャルオフィス
メタバースでのバーチャルオフィスとはメタバース空間に仮想的なオフィスを設け、アバターを介し社員間でコミュニケーションを図ったり勤務状況を確認したりできる仕組みのことです。
チャットツールや会議ツールにはないオフィス空間が存在するため、社員の勤務状況やオフィス全体の様子を可視化し多様な働き方に適応できるようになります。
メタコマース
メタコマースとはメタバースとeコマースを合わせた言葉で、仮想空間に構えたバーチャルショップのことです。
eコマースはインターネット上で商品やサービスの売買をすることを指しますが、そこには空間はありません。メタコマースではメタバース上にショッピングモールや百貨店などがある街が存在し、アバターがショップに出入りをしながらショッピングを体験できます。
メタバースライブ・フェス
メタバースのプラットフォーム上では、ライブやフェスティバルを楽しむことも可能です。
新型コロナウイルスの影響でイベントが制限される中、ライブやイベントが開催されるプラットフォームに行くと自宅にいながら臨場感溢れるライブやフェスを体感できます。
実際に日本では、2022年6月に複数のアーティストが参加するメタバース上での音楽イベント「MusicVket 4」が開催されて注目を集めました。
都市連動型メタバース
都市連動型メタバースとは実在する都市とメタバースを連携させて、イベントや観光を盛り上げる試みです。
2021年に開催された「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス2021」では、メタバース上のバーチャルな渋谷と実在する渋谷を連動させて、ライブやゲームなどのイベントを実施し盛り上がりを見せました。
バーチャル展覧会・展示会
メタバース内では、展覧会や展示会を開催できます。展覧会や展示会ができるプラットフォームに自分の商品やサービスを展示し、多数のアバターが訪れることで販売や周知ができます。
現実社会での展覧会や展示会は時間や場所に縛られますが、メタバース内ならライフスタイルや予定に応じて手軽に訪問できるためより多くの人にアプローチできます。
▼メタバースの種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
メタバースでできること
ここからは、メタバース内で実際にできることをチェックしていきましょう。
バーチャルショップでショッピングができる
1つ目は、メタバース内のバーチャルショップでショッピングが楽しめることです。バーチャルショッピングができるプラットフォームにアクセスをすると、実際に店舗に足を運ばなくてもアバターを介して臨場感溢れるショッピングを体験できます。
店頭に並ぶ商品を手に取り詳細情報を見たりアバター店員による接客を受けたりと、ただ商品を購入するのではなく選ぶ楽しさを感じられます。
バーチャルショップで購入した商品は後日自宅に届くため、現実社会と連動しているところもポイントです。
2022年12月には名古屋やパリ、札幌をイメージしたメタバース空間で「バーチャルマーケット2022 Winter」の開催が予定されています。バーチャルマーケットは2018年より続くイベントで、世界中から100万人を超える来場者を記録し盛り上がりをみせています。
世界中の人とゲームやイベントを楽しめる
2つ目は、世界中の人とゲームやイベントをリアルタイムで共有できることです。メタバースはインターネット上に構築される仮想空間なので、インターネット接続さえできればいつでもアクセスが可能です。
現在地の場所や時間を問わず、大勢の人が同時に同じ仮想空間でゲームやイベントを楽しめるのは、メタバースだからこそできることでしょう。
例えば、NFTゲームプラットフォームである「The Sandbox」は、2022年3月時点で登録ユーザー数が200万人を突破しています。プレイをしている世界中の人とアバターを介してリアルタイムでコミュニケーションを取りながら、ゲームを楽しめるのです。
また2021年には、日本のミュージシャン、RADWIMPSがメタバース上でバーチャルライブを行い注目を集めました。アバターを操作し世界観に浸りながら、世界中の多くの人たちとリアルタイムでライブが体験できます。
▼メタバースでおすすめのゲームは、以下の記事で詳しく解説しています。
メタバース内で稼げる
3つ目は、メタバース内で仮想通貨を稼げるところです。メタバース内で稼ぐ主な方法には、次の5つがあります。
①アルバイトをする
メタバース内では、アバターでアルバイトができます。例えばイベントの案内スタッフや接客スタッフなど、現実社会のキャリアやスキルを活かして稼げます。
②土地を運用する
メタバースプラットフォーム上の土地を購入し運用する方法です。メタバース内で土地を購入すると、現実社会と同様に資産運用をしたり建物を建てたりできます。
③ゲームをプレイする
メタバースには「Play to Earn」という概念があります。定められた条件をクリアすると、仮想通貨が獲得できるゲームも登場しています。
④ゲームのアイテムを作成、販売する
すべてのプラットフォームが対応しているわけではありませんが、アイテムを作成し販売、提供することで収益化できるプラットフォームが出始めています。
⑤NFTアートを出品する
NFTの売買ができる「OpenSea」などのプラットフォームを使い、売りたいアートに価格をつけて出品します。
このように、メタバース内ではスキルや特技を活かして収益化を目指せます。
▼NFTの概要や始め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼メタバースの土地については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼メタバースでの稼ぎ方によっては、副業も可能です。詳しくは以下の記事で詳しく解説しています。
▼他にもメタバースでできることはたくさんあります。以下の記事で詳しく解説しています。
メタバースのメリットとデメリット
メタバースの概要が把握できたところで、メタバースを活用するメリットとデメリットを見ていきましょう。
メタバースのメリット
メタバースの主なメリットとしては、次の4つがあります。
①物理的な移動が不要なので場所や時間に囚われない
②店舗やオフィスが不要となるのでコストカットが実現する
③今までとは異なる新たな商圏の獲得やビジネスチャンスがある
④南極に移動する、世界各国を巡るなど現実社会では実現が難しい非日常を体感できる
メタバースは仮想空間なので物理的や移動や時間の制限がなく、ライフスタイルや目的に応じて導入しやすいところがメリットです。
ビジネス利用を念頭に置いている場合は、未知の可能性を秘めている新たな商圏となるので、アイデア次第で多彩な活用ができるところが大きな魅力です。
▼メタバースのメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
メタバースのデメリット
①仮想通貨での取引となるので価格変動のリスクがある
②法整備が追いついておらずグレーな部分が多い
③安定してメタバースに接続できる環境や設備が必要
④新たな知識を身につける必要があるので参入障壁が高い
メタバース内は仮想通貨での取引となるため、仮想通貨自体の価値が変動するリスクがあります。また、メタバースと仮想通貨の両者とも現時点では法整備が追いついておらず、グレーな部分が多いのも現状です。
メタバースの始め方
ここでは、実際にメタバースを始めるために必要な3つのステップをご紹介します。
①メタバースに必要なものを準備する
メタバースは、目的や使用するプラットフォームによって必要なものが異なります。手軽にメタバースを体験したい場合は、スマートフォンやタブレットにアプリをダウンロードするだけで始められます。
メタバースを本格的に始めたい場合や高頻度で使用したい場合は、VRゴーグルや高スペックなパソコン、安定してインターネットに接続できる環境が必要です。使用するソフトやアプリによりパソコンの推奨スペックが指定されていることがあるため、事前に把握して機材の導入を検討しましょう。
▼メタバースに必要なものは、以下の記事で詳しく解説しています。
▼メタバースで使えるゴーグルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
②仮想通貨の取引ができるように口座とウォレットを用意する
メタバース内ではデジタル通貨である仮想通貨で取引をするため、仮想通貨取引所の口座を開設します。仮想通貨取引所によって、扱っている仮想通貨や手数料が異なります。利用したいプラットフォームでの仮想通貨を確認してから、開設をするようにしましょう。
口座を開設した後は、ウォレットを用意します。ウォレットとは、仮想通貨を保管しておく財布のようなものです。
メタバース内での収益やメタバースで使用する仮想通貨をウォレットに保管しておけば、万が一取引所がハッキングされても資産を守れます。ウォレットにはさまざまな種類があるので、用途に応じて使いやすいものを選びましょう。
▼メタバースで使える仮想通貨の銘柄は、以下の記事で詳しく解説しています。
①メタバースのプラットフォームを選ぶ
メタバースのプラットフォームとは、メタバースを楽しむための基盤のことです。プラットフォームを選ぶときには、下記のポイントをチェックしましょう。
①目的・用途に合わせて使用できるか
②使用環境や必要な機器は揃っているか
③ランニングコストがかかるか
④使用できる仮想通貨の種類
メタバースのプラットフォームを決めたら、プラットフォームに応じた適切な設定を行うことでメタバースを利用できるようになります。
▼メタバースのおすすめプラットフォームは、以下の記事で詳しく解説しています。
メタバース業界のビジネス利用が進んでいる
メタバースは娯楽を楽しむプラットフォームとしてだけでなく、企業でのビジネス利用も進んでいます。
例えば、メタバースを活用したオフィスは、テレワーク時に最適です。アバターを活用しコミュニケーションを図れるため、物理的な距離があっても足並みが揃えやすいです。場合によっては、メタバース内で研修や交流を開催することもできるでしょう。
この他にも、下記のように多彩なシーンでメタバースのビジネス利用は進んでいます。
・メタバース内で開催される展示会への出展
・バーチャルショップへの出店
・都市連動型メタバースの導入
・メタバース内への広告の出稿
▼メタバースでのビジネスについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▼メタバースでの事業事例は、以下の記事で詳しく解説しています。
メタバースの今後は
メタバースの市場は、今後さらに拡大すると予測されています。 Emergen Researchの分析(※1)によると、メタバース市場規模は2020年に476.9億米ドルに到達したとのことです。
2028年には17倍以上となる8,289億5,000万米ドルに達する見込みだと述べています。その背景には、仮想通貨の価値や技術の上昇やメタバースプラットフォームの需要の増加などが挙げられます。
メタバースは娯楽とビジネスの双方で活用が進んでおり、今後は生活の一部となりメタバース内で待ち合わせをしたりメタバース内に出社をしたりする日も近いでしょう。
※1 出典:PR Times・Emergen Research「2028年に8,289億5,000万米ドルに達する世界のメタバース市場規模」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000082259.html
▼メタバースの今後について、以下の記事でも詳しく解説しています。
メタバースを身近で楽しめる時代がやってきた
メタバースのビジネス利用やエンターテインメント、娯楽での活用は進んでおり、メタバースは特別な存在ではなくなってきています。メタバース市場は今後も拡大が予想されるため、今よりもより身近になるでしょう。
今回ご紹介したように、メタバースはさまざまな使い方ができるため、まずは興味のある分野から始めてみるといいでしょう。
メタバースを身近で楽しめる時代がやってきた
メタバースのビジネス利用やエンターテインメント、娯楽での活用は進んでおり、メタバースは特別な存在ではなくなってきています。メタバース市場は今後も拡大が予想されるため、今よりもより身近になるでしょう。
今回ご紹介したように、メタバースはさまざまな使い方ができるため、まずは興味のある分野から始めてみるといいでしょう。
Metaverse Mediaに関するお問い合わせはこちら